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中国語「さまよえる中級人」から脱却の具体的な道筋

中国語の「さまよえる中級人」と聞くと、おそらく長く中国語を学習している方々の中には「自分のことか」とピンと来る人も多いのではないでしょうか。

編集部の感覚では、おそらくHSK(最上級)6級で7割(210点)以下くらいまでの学習者はこのような伸び悩み状態にあります。
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以下、この「さまよえる中級人」とは何か、そしてさまよわずに上級へと進む具体的な道筋をご紹介します。

 



 

 

中国語「さまよえる中級人」とは?

この「さまよえる中級人」と言葉は、中国語教育者である相原茂の『中国語の学び方』という中国語学習についてのエッセイに出ています。相原氏は中国語学習者ではその存在を知らない人はいない『Why?にこたえるはじめての中国語の文法書』の著者です。

 この「さまよえる中級人」の中国語レベルについては明確に定義されていませんが、ざっくりと「初級文法は学び終わり、辞書や文法書を使えば中国語をインプットしたりアウトプットできるが、中国語を使えている感覚に乏しく、伸び悩んでいる」レベルとでも言えましょうか。こういう人に対して、著者はその後の歩むべき道筋を示しています。

 「さまよえる中級人」についての相原氏の考えを整理しますと、

①ことばが音として身体に定着していない

中国語は漢字で表記されているため、ついつい初級の時、目に頼った学習をしてしまいます。単語を、文を、純粋に音としてとらえていない。ことばが音として身体に定着していない。これが最後まで尾を引いています。

②中級以降の「ポイント」がない

中国語の文法はそう難しくはありません。文法事項といっても、実は初級段階で学ぶ文法項目で、ほぼ9割は尽くされています。その分だけ、早くから学習の重点が語彙に移ってきます。ところが、語彙の大海は行けども行けども果てがありません。区切りのないだらだらした学習が続きます。要するに、一言で言えば、明確な中級のカリキュラムがこれまで存在しなかったのです。

 つまり「中級のポイント」が存在しない。学習のポイント、教師が教室でここがポイントだよと強調するあれ。入門なら、まず「発音」そして「あいさつのことば」という明確な学習の目標がありました。無気と有気との区別とか、声調の弁別とか、これがまぎれもない学習のポイントです。発音をマスターする段階では、こういう点を重点的に練習しました。

さまよえる中級人からの脱却の道筋

そこで、著者は以下のような中級以降の大まかな道筋を示しています。

①単語の内部構造に目を向ける

著者は「身につけるべきは文法ルールではなく語彙力なのです」と述べ、以下2点の理解を意識すべきと主張しています。

(ア) 熟語を構成している個々の漢字の意義がわかる

(イ) 熟語を構成している個々の漢字の意義間の関係=構造がわかる

この2つの能力を鍛えることで未知の単語に出会っても慌てなくなる。逆に言えば、この能力がないと、常に語彙数の多い辞書がないと不安だということになります。

② 中国語のリズム、音読のすすめ

著者は以下のように「 音節数調和 というぼんやりしたルールの体得」が中級からの脱却に必要と言います。
音節数調和とは例えばこういうことです。「私は今年九歳です」というのを“我今年九”とは言えません。「我今年九岁。」 のように“九岁”と二音節にします。もし、十九歳や二十歳なら“岁”をつけずに「我今年十九。」「我今年二十。」 ということができます。音節数制限があるのです。ここの一音節副詞はニ音節にしたほうがすわりがいいとか、この目的語はちょっと長いから前のほうに出してしまおうといった感覚。つまり、個々の発音の正しさではなく、それにもとづいた一段上の中国語のリズムやらテンポです。

さまよえる中級人からの脱却する具体的な方法

では、「さまよえる中級人」は具体的に何をすればよいのでしょうか?編集部は「新しい単語や表現を含んだ短い文章を、音読ジョグトレーニングする」という方法を絶対的におすすめします。

 この音読ジョグにおける「精読」においてに新しい単語の内部構造に注意しつつ、トレーニングの核である声出しすることで、「①単語の内部構造に目を向ける」と「②中国語のリズム、音読のすすめ」をまさに実行することになります。音読をひたすらやることで言語化できない中国語のリズムを身体で覚えるという実感を得ることができます。言うなれば、知識を技術に変えることだと思います。意味と構造を完全理解しながらきちんとした発音で声に出せれば、短い文章であろうとも中国語の技術の核となる力は確実に高まります。

具体的には以下のシンプルなトレーニング方法をおすすめします。

 ※相原茂著『中国語の学び方』とは関係ありません。当サイトのおすすめです。

「さまよえる中級人」脱却の具体的な方法

  • 概要:次々と「1頁程度の未知の単語や表現を含んだ中国語の文」の音読ジョグする。続ける。※「音読ジョグ」トレーニングについてはこちらを参照ください。
  • 素材:BitExリスニング「時事中文」をおすすめします。200文字程度の時事ネタの記事がネイティブ音声とともに3日に1回程度更新されます。
  • 具体的な手順:毎日、素材の中国語文について音読ジョグを行います。1日のトレーニング量は音読ジョグ1サイクル程度で、大体30分〜長くても2時間程度におさえます。5サイクルやるなら5日かかるので、3日に一回アップされるこちらの素材でずっと学習を続けられます。(簡単にできるようになったらこのトレーニングは卒業します)

著者は「 私達は、ほんの一言、二言外国人の日本語を聞けば、それでその人のレベルが想像できます」と言っています。たしかにそのとおりです。一言話して「この人は話せる!」と思われるようなレベルを目指して頑張りましょう。